英語というと「訛り」についての質問を時々受けます。
英語にはそれぞれの国や地域に「アクセント(訛り)」が存在します。
その違いは日本語の関西弁や東北弁などといったイントネーションや単語の違いに近いですが、日本語のように「標準語」というものは存在しません。
「イギリス英語」と「アメリカ英語」はよく知られているアクセントで、発音やスペル、使う単語、言い回しなどが少しずつ違います。Rの発音の仕方やTomato がイギリスだと「/təˈmɑː.təʊ/ トマト」、アメリカだと「/təˈmeɪ.t̬oʊ/ トメィト」の発音になるのは有名かと思います。
その他にも、
アメリカ英語「color (色)」→イギリス英語「colour」
アメリカ英語「realize (気付く)」→イギリス英語「realise」
などのスペルが異なる単語があります。
とはいえさほど大きな違いでは無いので、コミュニケーションをとるのに問題はありません。
たまに、英語を学ぶのにどのアクセントで学ぶべきかを聞かれることがありますが、どのアクセントが特別良い悪いというのはありません。しかし、違いがあるということを知っておくのは大事なことかと思います。実際にアクセントの違いがわかるようになると、それぞれの特徴や背景を学ぶのが楽しくなります。
ちなみにアレックス先生出身のオーストラリアは、イギリス領だったこともあり、スペルや発音などはイギリス寄りです。オーストラリア英語は「Lazy English レイジー(怠惰な)イングリッシュ」と言われることもしばしばで、あまり口を開けずに早口で喋るのが特徴です。「Naisal Voice ネイザルボイス(鼻声)」で鼻にかけたように喋るのも特徴としてあげられ、口を大きく開けてお腹からはっきりと発音するアメリカ英語と比べると違いがよくわかります。
同じオーストラリアでも地域によって発音の仕方が異なります。よく聞く話では、「water (水)」の発音が内陸の田舎の方だと「ワラー」としか聞こえず、「ウォーター」と習った日本人にとっては全く理解できないなんてことも。。。
(余談ですが、アレックス先生のアクセントはもともとオーストラリア訛りはあまり強くなく、日本に来てからは色々な国出身の英語を喋る友達ができたせいか、ニュートラルな英語になったそうです。)
これだけ多くの国や地域で話されている言語だけあって、そのヴァリエーションも様々。ですが英語がある程度わかるようになると、日本語の訛りと同じで、知らない発音や言い回しがあっても、文脈から大体理解できます。大切なのはどのアクセントで学ぶにしろ、英語はコミュニケーションをとるツールにすぎず、「相手の話を聞く」「自分の意見を伝える」ということが何よりも重要ということです。完璧な文法で完璧な発音をする必要はありません。多くの英語学習者が「上手に喋る・喋れない」自分に気を取られて、実際の相手やコミュニケーションをおろそかにしてしまいがちです。
世界で行われる英語での会話の中で、約96%は非ネイティブによる会話だと言われています。たった4%がネイティブ同士の会話になるわけです。そこに良し悪しも、正しい英語も間違った英語もありません。通じる・コミュニケーションが取れるということが一番の目的になります。
アレックスの英会話教室ではそんなコミュニケーションツールとしての英語を教えています。発音が上手にできなくても、先生に伝われば問題はないのです。それよりも、相手の話をよく聞き、考え、自分の意見を自信を持って伝えることができる環境や信頼関係を築くことを大切にしています。